交通事故に強い弁護士を選ぶにはどうしたらいい?

代表弁護士 津田 岳宏 (つだ たかひろ)

交通事故に遭った場合、賠償がどうなるか心配になることでしょう。交通事故の示談金は、弁護士の力量に左右されるとも聞きます。しかし、弁護士の方々も、それぞれに得意分野があるでしょうから、よくいわれる交通事故に強い弁護士を、どうしたら失敗しないで選ぶことができるのか、どうしても知りたいところです。

では、交通事故に強い弁護士を選ぶにはどうしたらいいのでしょうか。
交通事故に強い弁護士とは、保険会社との示談交渉や医学的・法律的な知識に精通している弁護士といわれますので、そのような弁護士を選ぶには、いろいろな情報を頼りにする必要があるのです。

以下においては、交通事故に強い弁護士とは、交通事故に強い弁護士であればどのようなことが期待できるかを概観した上、交通事故に強い弁護士を選ぶにはどうしたらいいのかについて、説明することとします。

交通事故に強い弁護士とは

交通事故に強い弁護士とは、どういう弁護士なのか、具体的に考えてみましょう。

保険会社との示談交渉に精通していること

保険会社と示談交渉を進めるためには、保険会社の内部では、どのような判断を経て示談金額を提示してくるのか、保険会社内部で決済の通りにくい主張はどのようなものかを理解する必要があります。そして、それに応えられるのは、交通事故を専門的に取り扱い、年間の解決事例も多く、保険会社との示談交渉に精通している弁護士ということになります。

医学的な知識に精通していること

交通事故の損害では、人身損害が主な争点になります。その中には、後遺障害も含まれますが、事故に伴い受傷した内容や、その受傷から生じた後遺症については、治療期間の妥当性や後遺障害等級が争われたりしますので、医学的な知識がなければ適切な解決に導けない場面が多いものです。
その意味でも、医学的な知識に精通している弁護士が望まれるのです。

法律的な知識に精通していること

損害賠償請求においては、損害の捉え方が問題となります。そして、損害は法的概念のため、自賠責保険や任意保険の仕組み、過失割合、休業損害、後遺障害等級、逸失利益等の損害内容の問題に関する法律的な知識に精通していなければ、交通事故問題を適切に解決することはできません。

交通事故に強い弁護士であればどのようなことが期待できるか

当事者それぞれに、抱える問題も異なりますから、解決を求めるテーマの優先順位も違ってきますが、弁護士によって、差が出てくるのも事実なのです。交通事故に強い弁護士であれば、下記のようなことが期待できるのです。

適正な過失割合に修正できること

過失割合は、交通事故に対する責任の割合を比率で表したものですが、交通事故で損害賠償を請求する場合、その賠償額は過失割合に応じて大きく変わります。賠償額が高額になればなるほど、過失割合による賠償額の減額の程度も大きくなり、受け取れる金額に大きな差が出てきます。
いかにして、適正な過失割合で示談できるかが重要になるのです。
一般的に、過失割合は保険会社が一方的に提示してきます。実務では、過失割合の判断は、「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準(全訂5版)」(別冊判例タイムズ38号)を基準としています。そして、過失割合に争いが生じた場合、弁護士が、証拠を集め、過去の裁判例を検討して、被害者に有利な主張立証をしなければ、保険会社を説得することはできません。しかし、弁護士は、刑事記録を取得して検討するだけでなく、ドライブレコーダーや防犯カメラの映像など種々の証拠を踏まえて、適正な過失割合の調査ができるのです。したがって、弁護士は、上記文献の事故類型に当てはまるのか、なお修正が必要なのかを的確に指摘することができ、結果的に、適正な過失割合に修正できるのです。

慰謝料を増額できること

保険会社は自賠責保険基準あるいは任意保険基準で慰謝料を算定して示談交渉に臨みますが、弁護士は裁判(弁護士)基準で慰謝料を算定して示談交渉に応じます。
保険会社が提示する慰謝料と弁護士が提示する慰謝料では、算定の基準が異なるため、裁判(弁護士)基準の方が高額になります。しかも、保険会社が弁護士の提示額を拒否すれば訴訟を起こすことができますので、現状では、保険会社も増額に応じていますので、結果的に、慰謝料を増額できるのです。

適正な後遺障害等級認定を受けられること

交通事故の損害賠償額は、適正な後遺障害等級が認定されるか否かに大きく左右されます。後遺症の症状に見合った適正な後遺障害等級認定を受けられるためには、適切な治療や検査を受けていることが必要であり、弁護士のサポートが欠かせません。そして、後遺障害診断書を作成するのは主治医ですが、主治医は診察や治療を行う専門家であって、後遺障害診断書を記載する専門家ではないため、必ずしも後遺障害等級の申請に適した内容を記載できるとは限りません。
しかし、弁護士の場合は、「どのような等級が見込めるか」、「症状に見合った等級が認定されるためには後遺障害診断書にどのような記載があることが望ましいか」などが判断でき、その旨を主治医に伝えて、症状に見合った適切な後遺障害診断書を作成してもらうことができます。その後、弁護士が資料を揃え、万全の準備を行った上で、後遺障害等級の申請を行うことで、適正な後遺障害等級認定を受けられるのです。

保険会社との示談交渉で有利な展開が望めること

示談交渉では、損害賠償額は保険会社が損害の費目ごとに算定してきます。その損害賠償額は、実際上、裁判(弁護士)基準による賠償額よりも低額になります。保険会社の提示する賠償額が妥当かどうかの判断は、交通事故に強い弁護士であれば容易であり、しかも、示談交渉にもたけていて、裁判(弁護士)基準に基づき、保険会社との示談交渉で有利な展開が望めるのです。

交通事故に強い弁護士を選ぶには

交通事故に強い弁護士とは、保険会社との示談交渉や医学的・法律的な知識に精通している弁護士になりますので、そのような弁護士を選ぶには、下記のような、いろいろな情報を頼りにする必要があります。

  • 知り合いの弁護士に頼む
  • 特定の弁護士がいなければ、友人や親戚などに紹介してもらう
  • インターネット、ホームページから選ぶ
  • ポータルサイトから選ぶ
  • 交通事故関連の書籍の執筆者の弁護士から選ぶ
  • 医師の推薦から選ぶ
  • 弁護士会から適切な弁護士を紹介してもらう
  • 無料法律相談を利用して、担当の弁護士の話を聞き、交通事故に強そうで信頼できると感じた場合に、その弁護士に依頼する

まとめ

交通事故に遭った場合、受け取れる賠償額が弁護士の力量に左右されるとすれば、被害者にとっては、いかにして、保険会社との示談交渉や医学的・法律的な知識に精通している、交通事故に強い弁護士を選ぶことができるかが重大なことになります。
そのような弁護士を選ぶには、いろいろな情報を頼りにする必要があることを、お分かりいただけたものと思います。

代表弁護士 津田岳宏(つだたかひろ)/昭和54年生/京都女子大学付属小学校卒業/東大寺学園中・高等学校卒業/京都大学経済学部卒業/平成19年9月弁護士登録/平成26年6月京都グリーン法律事務所を設立

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