疼痛性感覚異常(CRPS、RSD)の後遺障害と等級認定

代表弁護士 津田 岳宏 (つだ たかひろ)

交通事故によって怪我を負った場合、いつまで経っても痛みや痺れが引かず、焼けたようなヒリヒリした痛みが続くことがあります。これを疼痛性感覚異常と呼びます。

ここでは疼痛性感覚異常の説明と後遺障害等級について説明します。

疼痛性感覚異常の諸症状について

疼痛性感覚異常とは、交通事故によって負った怪我が手術やギブスなどの固定治療を終えても腫れや痛み、痺れが取れず長引く後遺障害のことを指します。病院で診断を受ける際には、CRPSやRSDなどと呼ばれます。

この原因は交通事故によって負った怪我によって、神経因性の疼痛を引き起こすからと考えられています。発症する部位はほぼ手足であり、末端神経に引き起こしやすい傾向があります。主な症状としては以下の症状が挙げられます。

  • 激しい灼熱通や疼痛
  • 体の腫れ
  • 関節のこわばり
  • 皮膚の変化(皮膚色の変化、皮膚温の変化、皮膚の乾燥など)

上記の症状は、交通事故から時間が経過し、治療の段階やリハビリ段階で発症することが多く、直接的な因果関係を認めるのが難しいことが特徴です。

疼痛性感覚異常で認定を受けるのは簡単でない

疼痛性感覚異常の特徴として、交通事故との直接的な因果関係を立証することが難しい点が挙げられます。医師であっても判断が難しい症例とされており、医師の診断が曖昧に終わってしまうこともあります。よって、後遺障害認定を受けることが難しいという特徴があります。

疼痛性感覚異常の後遺障害等級について

疼痛性感覚異常の後遺障害が認められた場合、症状の部位や程度、継続時間、症状の原因となる所見の有無などを総合的に判断して、後遺障害7級~14級が認められます。

  • 《第7級4号》
    神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  • 《第9級10号》
    神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
  • 《第12級13号》
    局部に頑固な神経症状を残すもの
  • 《第14級9号》
    局部に神経症状を残すもの

疼痛性感覚異常の後遺障害は、医師の診断が難しく、因果関係も立証しにくいので、後遺障害の等級認定を受けるのは容易ではありません。

しかし、当事務所には顧問医もおりますので、医学的見地からのサポートも可能です。疼痛性感覚異常の後遺障害についてお困りの方は、お気軽にご相談下さい。

代表弁護士 津田岳宏(つだたかひろ)/昭和54年生/京都女子大学付属小学校卒業/東大寺学園中・高等学校卒業/京都大学経済学部卒業/平成19年9月弁護士登録/平成26年6月京都グリーン法律事務所を設立

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